演奏は可能ですが,慣れるまでは演奏しにくいと感じるでしょう。とくに演奏時の形が出来ている上級者の場合は,装置をつけることによる口唇の微妙な変化により、難しい音が出しにくくなることが考えられます。
矯正装置は,慣れるのに最低でも一ヶ月程度はかかりますので,大切なコンクールや演奏会の直前に矯正装置をつけることはお勧めできません。 慣れた後も,吹くと疲れやすい・唇に傷ができやすい・前と同じ音が出ない等の影響がのこるかもしれません。
特に歯を抜いて矯正治療をする場合は,最初のうちは歯を抜いた隙間も大きいですし,歯並びも日々変わっていきますので,上級者の方は安定した演奏が難しく感じるかもしれません。
カップ型マウスピースのトランペットやトロンボーンなどの金管楽器の場合は,マウスピースを唇に押しつけるため,矯正装置の出っ張り自体が気になったり,音域に変化が出るかもしれません。 フルートの場合は,前歯に装置がつくことにより,主に下唇が前歯の上を滑らかに動かなくなり微妙な調整がやりにくくなるかもしれません。
一方,矯正治療をはじめて半年以上たっていて装置にも慣れている方が,初めて管楽器を始める場合は不具合を感じることは少ないでしょう。